茶室の再考(第一回「待庵」)
今回は話題が変わって日本の建築の中でも伝統的な「茶室建築」というものを取り上げます。ホームページにも掲載していますので,興味がある方はご覧になってください。
このブログではホームページより、くだけた書き方でいこうと思います。そもそもなぜ今更「茶室」を取り入れるのかと言えば、日本の伝統的な建築空間の中でも「茶室」と言うのは小さいながらもユニークであり、世界に無い、特有の空間意識、美意識を反映するものだと私は間違いなく思うからです。
いうまでもなく「茶の文化」そのものが「禅」の存在無くしては語れないものであり、建築を始め宗教観、人と人との付き合い方に関係するのは言うまでもない事実でしょう。それにも関わらず我々門外漢には容易に近づき難い領域だと感じられます。
建築に限ってみても学校等で特に教えられるものではありません。たまに図集などで見ても建築それ自体が4畳半とかの小さくて立体的に把握しづらい感がどうしてもしてしまいます。従って、茶室を取り上げるにあたっては、まずは立体的に、3Dモデルとして組み上げて自分自身がその中にヴァーチャルに身を置いてみてどのように感じられるかを体験してみようという風に考えました。又現在3Dでの表現手法に興味を抱いていて、且つ、その方面のスキルアップに取り組んでいる時期でもあったので良い試みかとも思えたのです。具体的に取り上げる茶室は、いわゆる日本各地にある「名茶室」と言われているものをが良いかと思いました。
そこで第一回として国宝の「如庵」を取り上げてみました。「如庵」というのは場所でいうと京都の山崎にあるお寺の一角にあり、公開されている遺構ではありません。事前に申請をしてから拝観する形です。茶の創始者である千の利休による、今日までに伝えられた唯一の遺構ということになっています。残念ながら今に至るまで、個人的に現地に行って実際のものに触れた経験はありません。機会があれば行こうと現在考えているところです。
お寺の広間に付随して設けられる形で存在しています。茶室は床の間付の4帖程でそれに1帖の板敷の「次の間」がついています。狭い中にも特に極小の茶室と言えるみたいです。小さい中にも色々の変化があって実際以上の広さを感じるという風に書かれています。特ににじり口を入ってから目に飛び込む傾斜天井の構成には目を見張ってしまいます。それと明るさにも、下地まで、連子窓など当時の技術を使ってできる範囲でとても気を配っていると思われます。また庭のアプローチ等の雰囲気は写真で見る限りとても心地よいものだと思えます。今度現地に足を運ぶことができればこの目で確かめたいことの一つにです。
内部鳥瞰
にじり口から内部をみる
亭主席からにじり口をみる