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prime52729masaのブログ

建築や街の身近な話題を取り上げたいと思っています。

耐震等級1と3

今回も又大阪で参加した講演で聞いた話をアップしたいと思います。
今回の講師は「佐藤実さん」と言う方で専門は木造建築の構造力学で構造塾という建築専門家向けの勉強会を主催しておられます。私は去年から大阪で参加しているのですが、東京ではもう既に3年も開催しているということです。一般的な構造の専門家の講義とは違っていて話が具体的で面白く、且つ多岐にわたって構造の話を単なる無味乾燥な数式の羅列ではなく、基本的な考え方をイメージを使って分りやすく説明してくれます。

今までも構造については多くの機会で聞いてきた私ですが、この佐藤先生のように論理的に整然として、多岐にわたる話は聞いたことが無く、最近は暇があれば出席するようにしています。先生は非常に活動的な方で全国を飛び回って一般の私たち建築設計を業としている我々に留まらず、一般ユーザー相手にも啓蒙的な話をされてきました。
中でも去年からは熊本の地震についての実地調査を何度もされていて、具体的で、目を開かれる思いを何度もさせられました。先週の講義でも熊本地震の被害の報告が2時間ほどあったのですが、その中でも印象に残った話を取り上げてみたいと思います。

現在、建築の構造家の間では品確法の<耐震等級1>ではなく<耐震等級3>を標準とすべきという論点があります。<耐震等級1>というのは建築基準法に要求される耐震強さを100%満足している建物で、まれに来る震度6.5~7の大地震に対してはかなりの程度損傷を受けるが、それでも倒壊はせず、何とか持ちこたえて住み手の命を守るというレベルの家です。 それに対して<耐震等級3>というのは50%増しの強度にして、ゆとりを持たせた家です。大地震に合っても問題はなく命ばかりか財産、生活を守ることができる家です
一般的に家を建てる場合、<耐震等級1>と<耐震等級3>について事前に説明があるとすれば、上記のような説明があり、当然のこととして<耐震等級3>のほうが費用は余分にかかるという話になるでしょう。ですが、施主としてそのように説明を受けたとしても判断にはとても迷うに他ないでしょう。なぜなら<耐震等級1>でも最低限命は守られのだし、だとすれば余分な出費は抑えることが出来るはずなのですから。 ですが一旦今回のように大地震に見舞われると<耐震等級1>と<耐震等級3>の違いというものがとてもよくわかってきます。 今回の地震では実地の調査によると耐震等級3の家というのは16棟ありました。 そのうち2棟には軽度の被害がありましたが他は被害もなくすっと住民は住み続けておられます。

 

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<耐震等級1で傾いてしまった家>

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<耐震等級3で無傷の家>


上の2つの写真をみて愕然とするのではないでしょうか。<耐震等級3>とするために幾分かのお金(恐らく100~200万位)の意味合いには残酷なまでの違いがあります。一方は震度7地震にも耐えて命を守ってくれたが、住み続け生活を支えられない家、一方はこれからも命と生活を守り続けてくれる家。抽象的に<耐震等級1>と<耐震等級3>ということを言いますが、その本当の意味というのが掲載した写真をみれば身に染みて納得できるのではないでしょうか?上に述べたような趣旨の話を佐藤先生はされていました。すごい話だというふうに聞いて思いました。