prime52729masaのブログ

建築や街の身近な話題を取り上げたいと思っています。

サンルームの日よけ

今回は家のサンルームの日よけシートの取り付けのことについて書いてみたいと考えています。家のサンルームは震災後に増築したもので、私自身が手書きで図面を引いたもので、長年に渡り色々の思い出もあり、また雨の日には物干し場として家内がかつようしていて、今や無くてはならない存在だと言えます。ですが未だに解決がつかないのが

夏場のオーバーヒートの対策の在り方です。

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私自身色々対策を講じてきているのですが、どれも決定打には至っていないのです。

最初の頃はガラスの屋根面の上にすだれをかけて日ざしを少しでも和らげようとして何

年か試してみました。理論上は外部で覆いをかけるのが効果的なはずなのですが、少し

年を取ってきたせいもあり、屋根の上にすだれをかける作業が大義になり、ほうたらか

しになってしまいました。

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ですが、毎年夏場には尋常ではない温度になり対策に苦慮していました。

今回も何とか少しでも日を和らげたいという一心で対策を講じましたが、状況が改善さ

れるかは疑問のままになっています。

今回は外部はメンテの手間が大変なのであきらめて内部の天井に日よけを張り巡らすと

いう手段に訴えました。まだ成果の程は不明ではあるのですが、幾分和らいだ感じは正

直なところしております。温度計で計ったところ内部の温度は37→36°に1℃だけ改善さ

れたみたいです。何よりアイヴォリーに変えたので、前の白と茶のまだら模様のものよ

り涼しく感じられているのは確かだと思います。

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まだ7月の初めで、熱いのはこれからなので、様子を見てみたいと思います。

「KENNTEN`2017」

今月の8日、9日の2日間にわたりインテックス大阪で開かれていた建築材料・住宅設備総合展’KENTEN2017’に行って来たのでで、例年通り、その報告と印象をまとめてみよう

と思います。例年この時期には事務局から招待状が送られてくるので、建築材料他最新の製品情報を実際に目でみて確かめる良い機会と捕えて、時間の許す限り足を運んでいます。今年は少しばかり様子が違う様に感じられたので、そのことも取り上げてみたいと思います。去年も書いたのですが、やはり環境関連の製品、工法の展示が多くみられたのですが、今年も同様にそういった展示は各種ありました。その中でも興味を惹かれたのは、外断熱工法左官仕上げ工法に関するものです。

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 ご承知の通り外断熱は内断熱よりもメリットが多いとされているのですが、実際のところ工法的にはサイディング以外には選択肢は無い様にように思われていました。今回のは外断熱をプラスチック製の専用の止めで固定しその上に通常通り左官仕上げを施すというものでした。基本的にどんな左官仕上げでも対応できるみたいで、木造・RC造を問わず、外壁仕上げの選択肢が増えたと感じられました。

実地に説明者に「対衝撃性は問題はないのか」聞いてみたところ、やはり物をあてたりすると凹んだり、穴があくことは否定できないとの答えでした。しかしながら木造住宅に関しても近年実績が上がっており、耐衝撃性試験成績も実施しているのでクレームは出ていないということでした。これからも外断熱の工法について新しい工法等があればブログ等でも取り上げていきたいと考えています。

 

それから、今回目に留まったものとしては泡風呂は従来からあるが、従来より細かい泡風呂の展示でした。実際に介護施設では入院患者の入浴用に好評だということでした。あまり自身で体を洗えない状態の人でも泡が細かいので皮膚の細かい部分に入り込んで洗うので人手をかけずに入浴ができる点は確かにメリットがあると思いました。新築でもリフォームでも対応できるそうです。装置を付けるのには実勢で20万位にまで下がってきているとのことでした。

 

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また、介護の関係する部分では隣の会場でサービスロボットの展示会があって、ついでにのぞいてみたところ、印象では建材の方より明らかに盛況を呈しているという風に感じられました。いわゆるアシストロボットの展示、ドローンの展示などにヴィヴィットな興味を惹かれました。

茶室の再考(第一回「待庵」)

今回は話題が変わって日本の建築の中でも伝統的な「茶室建築」というものを取り上げます。ホームページにも掲載していますので,興味がある方はご覧になってください。

このブログではホームページより、くだけた書き方でいこうと思います。そもそもなぜ今更「茶室」を取り入れるのかと言えば、日本の伝統的な建築空間の中でも「茶室」と言うのは小さいながらもユニークであり、世界に無い、特有の空間意識、美意識を反映するものだと私は間違いなく思うからです。

いうまでもなく「茶の文化」そのものが「禅」の存在無くしては語れないものであり、建築を始め宗教観、人と人との付き合い方に関係するのは言うまでもない事実でしょう。それにも関わらず我々門外漢には容易に近づき難い領域だと感じられます。

建築に限ってみても学校等で特に教えられるものではありません。たまに図集などで見ても建築それ自体が4畳半とかの小さくて立体的に把握しづらい感がどうしてもしてしまいます。従って、茶室を取り上げるにあたっては、まずは立体的に、3Dモデルとして組み上げて自分自身がその中にヴァーチャルに身を置いてみてどのように感じられるかを体験してみようという風に考えました。又現在3Dでの表現手法に興味を抱いていて、且つ、その方面のスキルアップに取り組んでいる時期でもあったので良い試みかとも思えたのです。具体的に取り上げる茶室は、いわゆる日本各地にある「名茶室」と言われているものをが良いかと思いました。

 

そこで第一回として国宝の「如庵」を取り上げてみました。「如庵」というのは場所でいうと京都の山崎にあるお寺の一角にあり、公開されている遺構ではありません。事前に申請をしてから拝観する形です。茶の創始者である千の利休による、今日までに伝えられた唯一の遺構ということになっています。残念ながら今に至るまで、個人的に現地に行って実際のものに触れた経験はありません。機会があれば行こうと現在考えているところです。

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お寺の広間に付随して設けられる形で存在しています。茶室は床の間付の4帖程でそれに1帖の板敷の「次の間」がついています。狭い中にも特に極小の茶室と言えるみたいです。小さい中にも色々の変化があって実際以上の広さを感じるという風に書かれています。特ににじり口を入ってから目に飛び込む傾斜天井の構成には目を見張ってしまいます。それと明るさにも、下地まで、連子窓など当時の技術を使ってできる範囲でとても気を配っていると思われます。また庭のアプローチ等の雰囲気は写真で見る限りとても心地よいものだと思えます。今度現地に足を運ぶことができればこの目で確かめたいことの一つにです。

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内部鳥瞰

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にじり口から内部をみる

 

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亭主席からにじり口をみる

耐震等級1と3

今回も又大阪で参加した講演で聞いた話をアップしたいと思います。
今回の講師は「佐藤実さん」と言う方で専門は木造建築の構造力学で構造塾という建築専門家向けの勉強会を主催しておられます。私は去年から大阪で参加しているのですが、東京ではもう既に3年も開催しているということです。一般的な構造の専門家の講義とは違っていて話が具体的で面白く、且つ多岐にわたって構造の話を単なる無味乾燥な数式の羅列ではなく、基本的な考え方をイメージを使って分りやすく説明してくれます。

今までも構造については多くの機会で聞いてきた私ですが、この佐藤先生のように論理的に整然として、多岐にわたる話は聞いたことが無く、最近は暇があれば出席するようにしています。先生は非常に活動的な方で全国を飛び回って一般の私たち建築設計を業としている我々に留まらず、一般ユーザー相手にも啓蒙的な話をされてきました。
中でも去年からは熊本の地震についての実地調査を何度もされていて、具体的で、目を開かれる思いを何度もさせられました。先週の講義でも熊本地震の被害の報告が2時間ほどあったのですが、その中でも印象に残った話を取り上げてみたいと思います。

現在、建築の構造家の間では品確法の<耐震等級1>ではなく<耐震等級3>を標準とすべきという論点があります。<耐震等級1>というのは建築基準法に要求される耐震強さを100%満足している建物で、まれに来る震度6.5~7の大地震に対してはかなりの程度損傷を受けるが、それでも倒壊はせず、何とか持ちこたえて住み手の命を守るというレベルの家です。 それに対して<耐震等級3>というのは50%増しの強度にして、ゆとりを持たせた家です。大地震に合っても問題はなく命ばかりか財産、生活を守ることができる家です
一般的に家を建てる場合、<耐震等級1>と<耐震等級3>について事前に説明があるとすれば、上記のような説明があり、当然のこととして<耐震等級3>のほうが費用は余分にかかるという話になるでしょう。ですが、施主としてそのように説明を受けたとしても判断にはとても迷うに他ないでしょう。なぜなら<耐震等級1>でも最低限命は守られのだし、だとすれば余分な出費は抑えることが出来るはずなのですから。 ですが一旦今回のように大地震に見舞われると<耐震等級1>と<耐震等級3>の違いというものがとてもよくわかってきます。 今回の地震では実地の調査によると耐震等級3の家というのは16棟ありました。 そのうち2棟には軽度の被害がありましたが他は被害もなくすっと住民は住み続けておられます。

 

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<耐震等級1で傾いてしまった家>

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<耐震等級3で無傷の家>


上の2つの写真をみて愕然とするのではないでしょうか。<耐震等級3>とするために幾分かのお金(恐らく100~200万位)の意味合いには残酷なまでの違いがあります。一方は震度7地震にも耐えて命を守ってくれたが、住み続け生活を支えられない家、一方はこれからも命と生活を守り続けてくれる家。抽象的に<耐震等級1>と<耐震等級3>ということを言いますが、その本当の意味というのが掲載した写真をみれば身に染みて納得できるのではないでしょうか?上に述べたような趣旨の話を佐藤先生はされていました。すごい話だというふうに聞いて思いました。

エコハウスについて

今月の7日に大阪のATCグリーンプラザで「エコ・ハウス」というテーマで講演やプレゼンテーションがありました。
少し個人的に興味がありましたので、大阪まで出かけてみました。結果として良かったと思っています。

最初に東京大学の前真之助教授のレクチャがありました。興味を覚えた部分をまとめてみようと思います。前先生について一事付け加えておきますと、建築学科の環境工学を専門とされている方で、研究に従事されるばかりでなく、一般向けの御著書の出版や講演も盛んにされている方です。以下が講演の要旨です。

まず日本の住宅の熱環境の現状ですが、やはり昨今の省エネ・エコロジーの何かにつけて問われている中では問題点が幾つかあります。

日本では家は「夏を旨とすべし」とされていましたが、寧ろ「冬を旨とすべし」ということ。

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確かに自然環境となじんだ「風通し」の良い家というのは私も惹かれる気持ちがあるのですが、都市の密集した住宅地では実現はしづらくあまり目標とはするべきではない、むしろ断熱・気密を確保して今日の高効率のエアコンを積極的に利用すべきである。
関西の太平洋岸のいわゆる温暖地は冬場は特に朝方かなり冷え込んで快適とは言い難い。現に朝方に亡くなる人の割合が多いとされている。

日本の住宅の現状を考えると、まず断熱・気密化を推進するべきで、それとあわせて日射遮蔽・コントロール、サッシュの断熱化に力を入れるべである。断熱では省エネに留まらず快適性が格段に向上する。断熱化によって上下の温度差が小さくなり快適、健康感が増進する。上下の温度差は2~4°程度が理想だが日本の家の現状では8°程もあるのでもっと低減しなければならない。

その他に省エネという観点からは特に給湯、照明が常時使用しなければならないので特に大切とされる。
またZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)という取組があるが、通産省の補助もあって、これからこれからもっと普及していくであろうということでした。

 

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 以下は私の事務所HPのURLです。

http://puraimusekkei.org/

 

熱環境のリフォームについて

まだまだ寒い日が続いていますが、今回は数年前に行ったリフォームのことを書いてみたいとおもいます。今回のリフォームは断熱化がメインではなかったのですが、主に浴室が寒いのと和室がとても寒くて夜には寝付けないくらいだったので、健康を考えて何とかしようと思いリフォームをしたのですが、やはりやっただけの効果はありました。リフォーム前は畳の下地がいわゆる荒板で、隙間だらけで風が常時入る様な状態だったのですが、リフォームでは「次世代省エネ基準」通りに80㎜のグラスウールを入れて、周囲の隙間にウレタンフォームを充填して、いわば防火区画ならぬ断熱区画を形成しました。

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その結果はというと、リフォーム前と後との温度比較はデータとして取ってはいないのですが、感覚的には3~4度程度は改善された感じがしています。リフォーム前は寒さと隙間風のせいか、寝付けない夜が多くありましたが、今はもう寒い夜もぐっすりと眠れて有り難い思いをしています。現在和室は全然暖房はしていないのですが、隣の暖房している居間から移動しても寒いのは確かに寒いのですが、以前のように凍える感じは全くありません。何より床の畳の感触がそれほど冷たさを感じなくなったのが大きな違いです。他にはサッシュのガラスを日本板硝子スペーシアという「真空ガラス」に取替えました。本来であればサッシュ本体も取替えるべきだと思うのですが、コストを考えてやめています。さらに付け加えると外壁についても断熱材の改修は行っていません。これも主にコストの関係です。リフォームする場合すべての部位を断熱・省エネ化が理想ではあっても、コストや工期等の関係からあきらめざるを得ない場合がよくあるのですが、それでも一番効果が上がる部位についてのみであっても部分リフォームと言う手もある、それでも熱環境は改善されることを実感できた次第です。

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付け加えるとすれば断熱は必須ではあってもそれだけでは温まる訳ではないので、熱をどういう形で供給するかが大事かと思います。うちの場合は天気の晴れた日には居間と和室についてはポァポカして暖房は不用ですが、朝食時や夜間にはヒートポンプ暖房器具は付け放しにしています。それなりに電気代はかかりますが、実情は厳冬期でも7,8千円程度で済んでいます。居間についてはガス式の床暖房を敷設していますが、現状では不用でリフォーム以来付けたことは一度もありません。

以上リフォームをされる方にご参考になれば幸いです。

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神戸市東灘区住吉 旧乾邸の見学

神戸市東灘区住吉にある、全国的に有名な「旧乾邸」の公開が有りましたので11/05の日曜に予約を事前にとって出かけて来ました。その報告と写真をアップロードします。当日は正に小春日和とも言いうる快晴の天気でした。お昼の1時からということでしたが、出かけると12時45分頃にはすでに正門の前には20人程の熱心な見学者が三々五々集まってきていました。

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外で待っていても、まずは外廻りの塀の見事さに目を見張る思いがします。写真にある通りタイルを何層にも積み上げた、とても重厚で落着きのあるデザインで、前面の道路の北上がりの勾配に合わせて下端がせりあがっていて、それもあって変化のある景観を形成しています。この前に来る度、いつも思わず見とれてしまうほどの風格があって、個人的には大好きな趣のある佇まいです。
 
ようやく時間が来て市の役員に招じ入れられました。30人程度の人が集まっていました。まず向えてくれるのが、とても有名な玄関の柱廊空間(ポルティコ)です。今回は改修してから初めてでしたので、まず確かめてみたいと思っていたのが屋根にあけられた明り取りの状態です。
私が以前出入りしていたころは円形に穿たれた明り取りの上に防水シートが密着して設けられていて、とても無残な状態だったのですが、果たして建設当初の姿に戻っているかどうか気掛かりでした。戻っていた場合どの程度の効果があるのか確かめたいとも思っていました。さっそく実地に確かめたところ見事に空の青が天井に穿たれていました。ひとまず胸をなでおろしました。

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改めて玄関廻りを眺めると、その見事さに感銘を受けます。屋敷にアプローチするとまず柱廊空間(ポルティコ)が出迎えてくれます。その天井を見上げると、濃い色の竹をあしらった矢作形のタイル張の何ともおしゃれなデザインとなっています。その中に写真の通り、三カ所ほど先述の明り取りの穴が穿たれています。
 
ポルティコの屋敷側の壁には装飾金物が面格子として掛かっています。天井から吊るされた照明もこの空間に合った意匠で、全体の雰囲気を盛り立てています。さていよいよ玄関ホールに入ると壁面は全て薄緑の光沢のあるタイルで覆われています。正面には壁龕が掘り込まれていて、トルコかアラブ風の額入の装飾タイルのが出迎えてくれます。更に玄関ホールの開口は2面共に繊細なデザインの真鍮製建具がはまっています。この空間の雰囲気は何度見ても見事なもので、これだけでも見る価値があると思います。設計者である渡辺節の力量を十二分に堪能さてくれるます。
 
さていよいよ中に入って階段室・エントランスホールへと足を踏み入れると、チークの鏡板で覆われた空間で、これも彫刻を施した木製の階段が圧倒的な存在感を放っています。2階の壁面には設計者が竣工祝いに贈ったと言われる厳島神社の景観を織り込んだ古びたタペストリーが掛けられています。

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まずは隣接するゲストルームへと歩を進めます。壁面は同じくチークの鏡板張で、東面中央にはこれも木の彫刻で飾られたマントル・ピースがどっしりと鎮座しています。南面の壁はほぼ全面が開口で上部には色ガラスが嵌め込まれています。さらに北面には書斎と言われている小部屋が有ります。
 
少し残念と思われるのは大開口の下の部分のサッシがアルミサッシに改修されていることですが、これは今回の改修前から既に改修がされていたようです。ゲストルームを語る上で外すことが出来ないのは北面に設けられた鉄製階段です。これも我々が出入りしていた頃にはかなり傷んでいて手摺の一部が脱落してはり金で固定されているような状態だったので、それが補修されているか気掛かりだったのですが、この部分も的確に直されていたので安堵しました。

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この屋敷でのハイライトは「玄関廻りとゲストホール」だと思うのですが、他にも幾つか注目すべき特長があります。まず昭和11年竣工という時期に建てられたにも関わらす、地下に設けられたボイラー室から全館暖房が完備されていたということで、それは設計者である渡辺節氏が当時最先端であったアメリカのビル建築の設備設計にも造詣が深かったことによるものだと言われています。
 
階段を昇って3階に上がるとサンルームというかサロンとも言うべき部屋があり、南の開口からは海への眺めが最高です。当時海運王であった乾家の由来を物語っているように思われます。

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他に庭園も公開されています。洋館側には洋風、蔵のある側には和風の庭園の設えが有ります。洋風庭園からは屋敷の全景が眺められます。外観としては意外にシンプルで、特に目立つものは無いと思われますが、目立つものとしては煙突と食堂のベイ・ウィンドウがあります。
 
いずれにしても、この屋敷は色々と経緯がありながらも今は神戸市の文化遺産として保存がされて、春と秋には市民に公開されているのは往時の神戸の歴史と雰囲気を伝えるもので、大変に喜ばしいことであり、これからも大切にしてほしいものだと、一神戸市民として願わずにはいられません。

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